到着編

前日の夕方から飛行機に乗り、朝にオークランド国際空港に着いた。 今日は今回の我々の救世主、ガイド役のカズちゃんに会い、お上りさん二人組みをワンガヌイという町まで案内してもらうのだ。天気はいまいち曇っているが、まあまあ、のんびり行きましょう。

オークランド空港

到着。寒い。13度だそうだ。いきなりジャンパーを着ることになる。
国内線に乗り換えるのだが、国内線乗り場行きのシャトルバスがどれだか判らなくて、案内のおじいさんに尋ねると、バスを待つより歩けという。せいぜい10分程度とのこと。道は青い線を追えば判ると言ってるような気がする。半信半疑で歩き出すと、ちゃんと書いてあって、正に青い線が路面にペイントしてある。
とろとろと歩いて移動。途中で黒いムクドリ程度の大きさのを発見。これが緑色の羽が混じって結構綺麗だ。それにしても風が強い。
tree1.jpg だから木が妙に傾いていたりする。

パーマストンノース空港

乗り換えた飛行機の高度が下がると、緑の大地と山々が見えてくる。しかし木が無い。ひたすら草が生えている。それは平地も山も関係ない。どこでもがんがん開拓して芝を植えました、という感じで山に木が無い。全く無いわけではないが、林、森と言ったものが見当たらない。そしてどこを見ても点点点点。この点には北海道で見覚えがある。牛、羊なのだ。白いのは、黒いのは牛、というところか。
着陸した滑走路のすぐ横に羊がいるのには参った。あれじゃうるさくて神経に障るのでは?
sheep1.jpg sheep3.jpg この調子でうぞぞぞっといる。
sheep2.jpg 小羊はなかなかキュートである。
cow1.jpg cow2.jpg 子牛もキュートである。

空港で今回ガイドをお願いした知人、カズに会い、レンタカーを借りて出発。宿泊地、ワンガヌイを目指してドライブだ。

ドライブ

北海道旅行のときもそうだったけれど、あちこちで「おおおっ」と叫んでは鳥や花を見て一時停止。その余りの頻繁さにカズがあきれてしまった。これじゃ目的地のワンガヌイまで何時間掛かるのやら。
goat1.jpg 何故か道端の牧草地につながれていたヤギ。
flower2.jpg flower4.jpg 咲いてる花が見慣れない上にまたでかいのだ。
hourse1.jpg 馬もいます。
dee1.jpg 鹿もいます。

空軍博物館

BULLSという街を過ぎた辺りの道端にDC-3(ちょっと古めのプロペラ旅客機)が飾ってあるのを発見。
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よくよく見るとイギリス空軍に似た青白赤の丸マークを描いた建物がある。なんだか博物館のようなのだが、きっと空軍関連に違いないと勘をつけて立ち寄ることにする。「えー」と多少クレームのような声が周囲約二名から上がるが、無理矢理車を突っ込んでしまった。
入るとやはり空軍のもので、横に現役の空軍基地がある。だから時々「キーン」とジェット戦闘機が通り過ぎる。入り口には弾でも浴びたのか、壊れたジェットエンジンが無造作に飾ってあり、実に殺伐とした雰囲気である。一人 $5 払って入場。
でも中に入ると戦闘機の部品やら写真やら、いろいろ飾ってあって結構楽しめる。どういうわけか日本の一円札などが飾ってあるのだが、はてさて撃墜された戦闘機から出たものなのだろうか?その写真を撮る我々は実に恥ずかしい日本人の様な気もするが、余りの珍しさに負けてしまった。
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そこの横にはカフェのようなものがあり、ここで昼食にする。キッシュやサンドイッチを売っていて、これがおいしかった。トーストサンドが実においしい。結局こういう食べ物が全体を通じておいしく、外れが無い。ただ量的には結構何もかも大作りで、これが日本人にはちょっと向かない。
この博物館はなかなか記念グッズに頑張っていて、消しゴムやら帽子やらトレーナーなど、結構たくさん作って売っている。壊れた戦闘機 (A-4 スカイホークとあった。殆ど現役)の部品もちょろちょろ売っていて楽しい。

結構ヒットだった博物館を後にして、再びドライブ。途中道端の野菜売り場でキウィフルーツをゲット。アスパラガスやら、トマトやらが異様においしそう。気の良さそうなおじいさんが量り売りしてくれる。でもこんな所にもちゃんとしたキャッシュレジスターがあるのに驚き。
後でカズに話を聞くと、野菜などは日本への輸出が非常に多いらしく、結局最も品質の良いものは日本向けに、次に良いものはスーパーなどへ、残ったものが店頭に並ぶということらしい。確かに大きさや形の揃わないものが多かったが、色やつやはピカピカの部類で、すごくおいしそうだ。翌日カズのフラットで料理するのだから、アスパラでも買っておけばよかったと少し後悔。

途中で景色が良いよ、という道に入り込んでうろうろ。ここの峠から見た景色は本当にパノラマでヨロシイ。日本とは山の形が違うので、それだけでも目新しい。おのぼりさんはひたすらキョロキョロする。
panorama1.jpg panorama2.jpg
この道の入り口にはドでかいツツジの木(花はどう見てもツツジだが、大きさは並みの桜くらいある)が根元からへし折られていた。風だと思うのだが、ちょっと驚き。
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僕はこのときどこかしらで羊か何かの糞を踏んでしまい、車の中で臭いとクレームをつけられてしまった。踏みたくて踏んだわけではないのだから仕方が無いじゃないか。

ワンガヌイ

最初に泊まったのはワンガヌイと言う田舎町。
カズ曰くは大抵の町にはケンタッキーとマクドナルドとピザハットとCOB&COというファミリーレストランがワンセットのようにしてあるらしく、これが並んでいるところがメインストリート、なのだそうだ。
翌日カズのいるパーマストンノースに行ったのだけれど、そこにはケンタッキーが近い距離で三つもある。彼女曰く、「ああなんて都会なんだろう!」というわけだ。

ところでここにはワンガヌイ川という大きな川があるのだが、これがまた実に泥の川だ。カズ曰く「なんかマディー」だそうだが、これ以降どの川を見ても皆一様に泥っぽく、普通に綺麗な川というものに遭遇しなかった。帰りの飛行機からオークランド近辺を見下ろしても、川や河口は皆泥の色だ。僕が思うに、山に木が無いからなのだ。あれじゃあ雨が降ったら皆土が流れる。木を植えようよ、もっと。

ここで夕食をと思ったのだが、なかなか見つからない。そもそも開いている店の中で、レストラン的なものは殆ど無い。一つ見つけたレストランは高級すぎて予約でいっぱいなのよと断られてしまった。まあ汚い格好をした東洋人三人連れが来たので単純に店に入れるのを断っただけかも。何しろこの町では東洋人は極端に少ないようで、殆ど全く見かけない。東洋人も居ないが、若い人も居ない。どうなってんの?
バーは幾つかあるのだが、ニュージーランドがラグビーで負けた夜などは荒れるんだそうで、ちょっと敬遠。

まあとにかく開いているところを一つ見つけて着席。一品ずつ注文したら、まあその量の多いこと多いこと。「今日のスープ」はブラウンマッシュだとの事で、これも注文したら優に400ccはあろうかという量だ。その中にマッシュルームを30個は入れているのだろうか、内容の90%はマッシュルームでは無いかと思われるくらいだ。一ヶ月分くらいのマッシュルームを食べたような気がした。それも三人で分け合って、だ。
せっかく羊の国だからと、僕が頼んだラムはクランベリーソースがけと言うことだったが、これがまた極端に甘い。妻が頼んだ魚はまだしも、カズが頼んだパスタは食べても食べても減らないくらいの山盛りだ。すごいぜ。

さて泊まったところはBack Packers的なところで、部屋の中にベッドといすがあるだけの簡単なものなのだが、何より清潔なことに驚いた。これはニュージーランド全体で言えることで、どこへ行っても綺麗なものだった。快適快適。
rainbow1.jpg 宿に入るときに見えた虹。綺麗!

翌朝再び市街地に回ってカフェで朝食。明るいカフェでサンドイッチなどを食べる。
この時道路をはだしで歩く人を発見。カズ曰くは結構そういう人が多いらしい。その後も車の中ではだしになっている中学生くらいの男の子を見た。あのまま歩くんだろうなあ。
家電製品を売っている店で多くのニッポンセイヒンを見る。さすがだねえ。

気を良くして出発。なかなか好天に恵まれ、びゅんびゅん走る。なにしろ市街地を出るとすぐに100Km/h標識になる。そこからは皆最低100Km/hで走る。
僕が借りたレンタカーはホンダの2リッターで、馬力はあるし良く走るのだが、どうもダルなハンドリングが気になって、ずっと100Km/hで走り続けることにした。ただその速度ではどんどん抜かれていく。まあ別に気にはならないのだが、それにしても皆普通ので飛ばす飛ばす。車の性能というのはこのようにして使うのねと思う。
でも市街地に入ると、皆ちゃんと速度を落とす。市街地の通路には大抵段差が設けてあって、うっかり速度が高いまま入ると「ガッタン」となってたまらないからだ。

ともあれ、今日は庭園見学ツアーなのだ。

つづく