Cinema Review

Shutter Island

Also Known as:シャッター・アイランド

監督:マーティン・スコセッシ
出演:レオナルド・ディカプリオベン・キングスレー

ある島の秘密を探るために捜査官が乗り込んでくる。そこは島全体が精神病院の閉鎖病棟となっていた。

サスペンス。だがオチは『誰がアクロイドを殺したか』に似たパターンで、それについてはちょっと残念でもあった。本当の「謎」をまだ追いかけていたかった、というのが本当のところ。

しかしよく考えてみると、僕は「謎を追いかけていたかった」のではなく「謎を追うディカプリオともうしばらく付き合いたかった」ように思う。つまりこれはディカプリオの魅力なんだな。

実のところ、ここしばらく『ブラッド・ダイヤモンド』『ディパーテッド』を見て、ディカプリオ、おっさんになってから結構良いじゃないかと思ってたりする。眉間にしわが寄ってりゃ良いと言うわけではないが、渋い感じで良い。いわゆる演技力というのだろうか、それもきっと良いのだろう。(僕はそのあたりの事が良く分からない。駄目な演技というのを感じることはあるが、良い演技というのは感じ取ることが出来ない。演出、とかいったことならもう少し相対化して感じられるんだけれど。)

あと、絵が好みだった。これは監督によるものだろう。とりあえず絵が好みだと僕はその映画に引っ張られてしまう。絵と合わせて、丁寧に作られている印象が強く、このあたりも良い。まあ僕が好きなパターンだ。

半分寝ながらDVDで見たので何か抜かしているかも知れないが、なかなか良い構成でそのあたりも引っ張られた。脚本にポール・ハギスの名前があったので、そのあたりかも知れない。『クラッシュ』も、面白い構成だった。

人によっては「オチが丸見えである」といったところで食傷気味になる人がいるかもしれないが、幸い僕はそんなに映画を見ない。余り映画を見ない人は映画を見過ぎる人よりシアワセに映画を見ることが出来るかも知れない。そんな一本。
(実はこのレビューは2010年の秋に書いていたが登録していなかった。今日の日付にして登録しておく。)

Report: Yutaka Yasuda (2014.01.23)


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