悪魔憑き(悪魔払い)を軸にしたホラー。
悪魔払いは『エクソシスト』が最高峰だと思う。ある意味ではそこに再度踏み込もうという映像作家はなかなかの心臓だと思う。『コンスタンティン』ほどの距離感を保つのがせいぜいだと思ってしまうが、割とこの作品は真正面から悪魔払いを扱っている。僕はパッケージタイトルにウィノナが写っていたので借りてみただけなのだけれど、普通なら単なる二番煎じ(もう何番煎じか?)と思って手など伸びないところだ。
ところで監督のカミンスキーだが、これが初監督作品とのこと。そうか?と思って調べるとスピルバーグの撮影監督を多く務めた筋金入りのカメラマンらしく。なるほど。映像は確かに良かった。僕は多くの場合映画をほとんどその映像で見てる。だからこの作品はなかなかに怖かった。ストーリーは僕の心にあまり響いてこないのだ。どんな映画であっても。
90分少しの小編。これを僕はレンタルで見た。家人が皆寝静まった夜中にヘッドフォンで。そしてなかなかに怖かった。良い小品だと思う。そして映画はその 90 分少しあとで、突然に終わる。
僕は普段そんなことをしないのだが、ちょっとした偶然もあって、このラストシーンについてだけDVD についてくる例の「監督による解説」というのを聞くことにした。余りにも突然にぶち切られたラストの説明を聞いてみたくなったのだろう。
監督はその中で感覚的に映画を見よ、分析は不要だ、感じてくれれば良い、と言っていた。なるほど。説明は不要か。そのワンシーン、ワンシーンをただ見るためだけの映画だと思えば、なかなかに居心地の良い映画だった。あまり人には勧められないけれど。確信犯的ということか。