主演のジョシュ君がなかなか良い。単に見た目で絵になるなあ、と言うだけの意味でなのだけれど。彼を最初に良いかなと思ったのは実はDVDを借りて見た『ブラックホークダウン』という、ただひたすらに市街戦の描写が続く映画だ。何故その映画で彼に引っかかったのか今となっては判らないが、だからといってもう一度見たいとは余り思わない。
それはともかく。本作はさすがにデ・パルマの映画で、他の脇役を含めて画面の隅々までビシッと絵が決まっている。本当に一枚一枚が絵になるなあと思う。
実在する未解決の猟奇的殺人事件を題材にとったサスペンスなのだけれど、年代、背景、手口から何から、まるでこの監督のために用意したかのようにピッタリとはまって申し分なし。これぞ映画(架空の映像世界)として楽しめる、その虚構感が良い。デ・パルマの映画というのは正にこの現実感との乖離がポイントなのだと思う。
こういう映画を撮る人が、実はこのごろは余りいないのではないかと思ってしまう。ヒッチコックなんかも僕は結構好きなんだけれども。(その二人だけが特別なのかもしれないが、しかしもっと居て良いと思う。)