今から 10 年も前に失踪した少女がいた。青年はそれが謎の孤島に紙箱による奇蹟を信じる集団によるしわざで、彼女は今もそこに監禁されているという。いつものように上田次郎が貧窮の底にある山田奈緒子にそんな話をもってくる。
(書いてから登録するのを長らく忘れていた)
やあ、まったく変な映画だ。ネタが細かい。細かすぎる。そして間(ま)が悪すぎる。映画になって機材が重くなったから間まで重くなったかと思うくらいに間が長い。
当初この間でこの長さはしんどいなと思っていたら、ほんとにそのまま最後まで行ってしまった。が、見ている方の脳味噌が段々シビれていくようで、後半になるとこっちまでゆるゆるしているから話がおかしい。ほんとおかしな映画だ。
細かなネタは枚挙にいとまがないが、幾つか。山田が「ブッツリ学(本当は物理学)ですよ、上田さん」と言うところは、単にいつもの山田の帰国子女的日本語まちがいの一つだと思っていたが、パンフレットによるとシリーズ時代か何かに出てきたネタらしい。壁に「トイレツマル」と書いてあるのはもちろん前作から。地下道の分かれ道にある「ブラジル」って何だ??
余りにも細かなネタがある一方、とてつもなく大胆な意図不明ネタもある。途中、看板にたかる「虫」が、おかしい。みつばちハッチみたいなカラダに人間の顔がついている。前作に登場した「ガッツ石松虫(がっついしまっちゅう)」に酷似しているが、しかし違うキャラだ。誰だコイツ、、、と思っていたが最後までそこには触れられず、パンフレットでも解説されない。
個人的には「私だけが助かるんですね!」「悪魔の実を食べたか」あたりのネタがヒットか。少女の目から上田に星が飛ぶのも良い。ただそれにしてもおかしい。ネタの全部が判る人はどれだけいるんだろう。ゆーとぴあの「よろしく・ねっ」を観客層のどれだけが知っているんだろう。片平なぎさの手袋をビーっと引っ張るのも。若い人たちは知らないよね。。。その一方で「悪魔の実」の『ワンピース』を「片平なぎさ手袋世代」が読んでいるかというと。。僕もかなり判らないところ、見過ごしたところがあったんだろうと思う。自分が判ってないということが判らないネタがそもそも多かったと推測されるので、本当はどれだけのネタが詰め込まれていたのかさえ判らない。
おかしな映画だ。シーンが変わるたびに画面のスミの方を捜してしまう。そこに何か書いてないかと思ってしまうのだ。
それにしても堀北くんの相手役の平岡くん、『スウィング・ガールズ』のあの男子高校生だったのだね。目立たないなあ、、、ほとんど判らなかった。もうちょっと目立とうよ。。役者さんなんだから。。。