Cinema Review

TROY

監督:ウルフガング・ペーターゼン
出演:ブラッド・ピット、エリック・バナ、オーランド・ブルーム、ショーン・ビーン、ダイアン・クルーガー、ローズ・バーン、ピーター・オトゥール、ブライアン・コックスブレンダン・グリーソン

ホメロスの叙事詩、イリアスに謳われたトロイ戦争を再現。

ペーターゼン監督、ブラッド・ピット主演、というわけで見に行った。学生たちとガヤガヤ見に行くのに向いていたせいもあって、楽しく見た、というところだ。が、難儀なことに内容が薄い。ほぼ三時間もの大作なのだが、それにしても内容が薄い。典型的ハリウッドの枠組みを追っているにしても、薄い。人があれほど肉を切られ、骨を割られて死んでいくのに、この軽さは何だろう。最後は神話通りにアキレスはかかとを射抜かれて戦死するのだが、その彼の死ですら軽く流れていってしまう。

同じ肉弾系なら『ブレイブハート』のあの衝撃と感動はどうだ?粉砕系ならあの『プライベート・ライアン』のプレッシャーはどうだ?ペーターゼンには名作『Uボート』があるのに、なぜこんな作品になってしまったのだろう。

(今回の字幕は、、完全に逆に訳しているところもあったりして。。謎だ。)

オーランド君は軽いフニャ野郎がどうやら定着したようだし、エリック・バナはどうも『ハルク』のときも今作もぱっとしなかったし、ショーン・ビーンは何となく悪役みたいな雰囲気が今回も板に付いていた。うーん彼だけか?今回それなりにはまっていたのは。オッサン役はそれなりに良い雰囲気を出していたと思う。

はてさて、主役のブラッド君は今作に出ることで果たしてその名を映画史に残せた、のかな?

Report: Yutaka Yasuda (2004.06.22)


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