Cinema Review

アンダーワールド

Also Known as:UNDER WORLD

監督:レン・ワイズマン
出演:ケイト・ベッキンセール、スコット・スピードマンマイケル・シーン、ソフィア・マイルズ

吸血鬼一族と狼男一族の何世紀にも及ぶ争いの歴史にいよいよ終止符が打たれる。特殊メイクとマッチした映像のホラーB級作。

舞台は英国、の設定だろうか?英国車ばかりが目立つからそう思うだけなのかもしれないが。屋外の撮影は幾らか以上ハンガリーで行われたようだ。石畳と古い建物が暗い空気と冷たそうな雨にひどく合う。実にこの作品はこの映像のためにだけある。ゴシック調、というのだろうか。流れ続けるロックの音と、降り続ける雨。

ケイト・ベッキンセールは『から騒ぎ』のヒロインだったようだが僕は印象になかった。一般には『パール・ハーバー』で記憶されているかもしれないが、僕は見ていない。ほとんど今回が初見。この作品を見たのは彼女のアクションシーンが詰め込まれたトレイラーを見て「おおっ」と思ったからだが、さてどうだったかというと、、、

これがなかなかかっこいい。黒のゴム製ボディ・スーツを着て飛んだり走ったりのアクションをしてくれるのだが、彼女かなり細身で手足の動きが目立つ。『アベンジャーズ』のユマ・サーマンもその点同じなのだが、今回ケイトが「おっ、がんばってるね」と思わせるのはその走りか。インドアであんな走り方してたらつまづいて転ぶぞ、とか、走りながら撃てないぞ、などの突っ込みはおいといてかなり全力疾走でいい感じだ。アクションと言っても格闘シーンはなくガンファイト中心なので細身の体でも違和感がない。これだけ細身ではどつきあいは似合わない。絵に説得力がない。『リーサル・ウェポン』シリーズのレネ・ルッソや、『007 トゥモロー・ネバー・ダイ』のミシェル・ヨーくらいの体の線でないと嘘っぽい。本作で説得力があるのはその設定による。つまり彼女はバンパイアだから(体の割に)力が強い、、のだ。それにしても細い。本当に細い。

ところで彼女、走るトレーニングはいっぱいやったかもしれないが、ガンアクションはちょっと手が抜けていたかも。むしろ演出の問題か。ドア越しに撃つときは上半身ではなく下半身位置に撃つはず。マガジンを入れ替える時には手許を見たらあかん。自動連射にしているハンドガンでそんなに手をあげたら二発目からは銃口が上向いてるよ。。。

ま、もともと僕はこの動きのかっこよさと、ダーク・ブルーの映像、濡れた髪のケイト君の目を見にいったよなものだからよしとしましょう。映画としては実にB級なので、その点はご注意くだされ。
ちょい役的だがソフィア・マイルズがちょっと目を引いた。またどこかで出てくるんだろう。

Report: Yutaka Yasuda (2003.12.20)


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