事故で家族を失った男は、社会から隠れて生きている。男は自分を事故から助けた女性警官と街で出会う。女は不眠症で、男づきあいはうまくいかない。
互いに心に傷をもつ現代人の出会いと再生の物語、、なのだろう。僕は正直そうしたテーマに全く関心が無い、というか映画そのものを映像や音楽でしか見ておらず、ストーリーをほとんど追わず、感情移入もほとんどしないという見方をしているので、このあたりのことはよくわからない。
見たのはもちろんジェニファー・ロペスのためである。
彼女は音楽シーンですでに充分成功しており、映画といってもお気楽な作品にちょこっとでたら充分な立場だと僕は思っている。ところが彼女は少しずつ、さまざまなタイプの作品に、まるで自分を試すようにでている。
『アナコンダ』ではまさにそういうお色気+ちょい役。『アウト・オブ・サイト』で警官役。このあたりでいいかと思いそうなところで、なぜか衝撃的な『The Cell』。女神のような仮想世界と、極めて普通の現実世界をうまくこなしていた。続いてなんとも不思議なことに『ウェディング・プランナー』という絶対僕がひっかからないような恋愛映画。(当然見ていない。)そしてこの『エンジェル・アイズ』でふたたび警官役。ただし今度は孤独で、頑張るキャラクター。次が『イナフ』でこちらも頑張る母親役。
このさきもどんどん出演作が公開されるが、とりあえずこのあたりまでの彼女はまるで自分を試すようにいろんな規模の作品の、いろんな役に出ている。変わらないのはその声だけだ。
実は僕はちょっと彼女の声が気に入っている。ちょっと甘い感じの声で、聞けばすぐにそれとわかる。だからこの作品も、劇場で予告がかかり、彼女の声が聞こえたとたんにピぴっと来たというわけ。