その町は今年、40 年ぶりに日食がある。その家では昔、残虐な事件がおきた。引っ越してきた家族の歯車が、徐々に狂いはじめる。
かなり良い雰囲気のホラー。家に何かが憑いている、という良くありそうな話なのだが、単純に『ポルターガイスト』のようなことにせず、集中力を途切れさせずに見ることができる。
思うに映画としてしっかりできているんだと思う。絵も、ストーリーテリングも。役者さんも。これは『エクソシスト』で強く感じたが、あの作品はホラーとしてどうかという以前に、映画として良くできていた。まるで文芸作品のような格調、というようなものが漂っていた。
この作品も、格調とまではいかないが、きちんとした格好が画面の隅々までつけられていた。はまりが良い、というのだろうか。監督さんの趣味と力量なのだろう。他にどんな映画を撮ってるんだろう。スペインの人らしい。(ハリウッド映画なら登場人物がどこの国にいようと全員英語で通すのが普通だが、、、ちなみに場所の設定はスペインなのだ。なぜスペインにしたんだろう?例えば原作があって、そこが重要なポイントだったりするのだろうか?)
それにしても惜しまれるのは途中に登場する妙な CG オバケだ。シャコシャコシャコっと壁を這い、その品のなさは雰囲気ブチ壊し度が激烈に高い。誰だあんなの付けたのは。オープニングのつくり、特殊メイクすら無しで子供の亡霊をちゃんと見せているのに、なぜあんな妙なオバケをだすのだ。ところどころに挟まれる水泳シーンを含め、構成はあんなにしっかりしてるというのに。
そういえば『オープン・ユア・アイズ』もスペイン映画だが、終りがなんだかよくわからなかった。観客を置き去りにしているというか、ハリウッド的決着をつけずにぶっちぎられる。これはスパニッシュ・テイストなのか?亡霊君が登場人物にバケるのはラストまぎわのシーンで説明臭ゼロでうまく見せ、ラストシーンで観客を迷わず「ありゃニセもんだ!」と思わせるのに効いている。このあたりほんとによくできている。
ああそれだけにあの CG オバケが悔しい。なぜだ。。。