自分に厳しいはずの運び屋が、自らに課した「中身は見るな」というルールを破ってしまう。そこから坂をころげ落ちるようにトラブルが発生。カーアクションも見事なアクション映画。
リュック・ベッソンのプロデュースである。だから見た。劇場で見た。僕は『SUBWAY』以来、彼のカー・チェイスが大好きだ。ベッソン脚本でカー・アクション映画となれば見るしかない。
同じベッソン・プロデュースのカー・アクション映画『TAXI』を見た時は、オープニングのスクーターのマシン・カメラ映像に酔い、最初の銃撃戦まで手に汗を握った。が、後半コメディとアクションのバランスを失してしまい、僕のテンションは切れてしまった。ちなみにその後で「そう言えば見逃してたよな」と言いながら借りた『WASABI』はどえらいハズレだった。ベッソンはコメディは苦手ということか。
さて本作はどうだったかというと、、、
やはりオープニングのカーチェイスからの流れは非常によろしい。期待どおり。だが肝心の荷物を開けるシーンでテンションがぷつりと切れる。何故切れるのかはここでは書かないが、とにかく途中で切れるというあたり、、、なんともベッソン的というべきか。
この場面からペラペラのお話になりそうだったのが、今回僕はぎりぎり最後まで楽しめた。あぶないところだった。
ところで『キス・オブ・ザ・ドラゴン』ではジェット・リーが最高のアクションを見せてくれた。今回はジェイソン君が頑張ってくれる。西洋人がカンフー的アクションをすると、どうにも体が重いのが祟ってか鈍い感じになる。『ブレイド』のウェズリー・スナイプスを見るとわかるだろう。ブルース・リーもジェット・リーも体が軽いのが鋭い動きに有利に働いていると思う。
それにしてもジェイソン君、頑張ってる。『Snatch!』ではただの大男と思ってたけど、ひと味違う大男だったんわけだ!
アクション監督に『キス・オブ・ザ・ドラゴン』のそれと同じコーリー・ユエンを呼んできたそうだが、そのあたりが効いているんだろう。『MATRIX』でもそうしたアクション担当者の味付けがなされていたと憶えているが、これがこのところのハリウッドの流行のようだ。
そしてヒロイン役のスー・チー。キャスティングもベッソンの趣味なのか?また細身のモデルさんを連れてきた。ジェイソン君と並んで見栄えで負けてないから、かなりな長身と思う。大男 vs 大女?
途中でジェイソン君が手足を縛ったスー・チーをかついで歩くシーンがあるのだが、それが実に絵としてハマる。二人ともこの絵の見栄えのためのキャストじゃないかとさえ思う。
このところ僕はアジアン・ビューティな女優さんにはまりつつある。今回の彼女は美人という線には余りヒットしない(言っときますが主観です)のだが、中国人系のすらりと伸びた手足の女優さんは西洋人俳優たちと並んで実に絵になる。タイ人も同様の印象があるのだが、こちらは(僕にとっては)少し骨の線がゴツゴツしすぎていまいちだ。
それにしてもベッソンのカー・アクションって、なんでこんなにカッコいいんだろう?