Cinema Review

Jam Films

監督:篠原 哲雄
出演:妻夫木 聡、綾瀬 はるか、吉本 多香美、

日本のいわゆる若手監督7人による 15 分以内のショート・フィルムを集めたもの。奔放に作られた全く違う各編の味はいかに?

オープニングがすごい。原田 大三郎によるCGアニメーションなのだが、これがなんともポップな感じで飛ばしている。7人の監督がそれぞれ作る短篇を集めるということで 7 人のサムライならぬ 7 人の宇宙飛行士のストーリーを作ったということか。(パンフレットによると『ライト・スタッフ』が 7 飛行士だったかららしい)
こんなに本編とつながらない浮いたオープニングは、やはりアニメーションの『Party 7』以来だ。いかにもクリエイターの仕事という感じで楽しい。

イギリスのこれもやはり若い監督らによるショート・フィルムである『チューブ・テイルズ』では、舞台を地下鉄に絞り、タイトル文字の出し方を揃えるなどして、ある種の共通部分を設定した。この作品では特にそれらしいところはなかったようだ。

さて、一応記録のために各編ごとに並べておく。別に評論家じゃないんで、コメントは幾らか気になったものだけに付ける。

『the messenger』北村龍平
女優さんがなかなかキツい感じで良かった。真野きりな嬢あたりも向いてそうに思えるが、この人はヒットかもしれない。ただ入口階段を降りる時にスソのひきずり方がかなりおかしい。あそこは意地でも何とかすべきところだったと思うが。。。
魚谷佳苗、北村一輝

『けん玉』篠原哲雄
実は『赤影』の美人あんま以来、篠原涼子は結構いけるぢゃんという気になっている。アネさん的な感じ。映画じゃないが『カバチタレ』で常盤貴子と絡んでいたのがいけていた。山崎まさよしは相変わらず近所のタヨリナイにいちゃん、という感じでこれもグー。
山崎まさよし篠原涼子、あがた森魚

コールドスリープ飯田譲治
大沢たかお、角田ともみ、筒井康隆

『Pandora -Hong Kong Leg-』望月六郎
吉本多香美がちょっと変態チックな話によく合っている。いま、こういう役が合いそうなのは確かに彼女が一番か。あとは中山美穂小泉今日子などが浮かぶが結局彼女らは少し(見ための)歳が行き過ぎてる。桜井幸子、中江有里は少し普通すぎるか。横山めぐみはどうだろう。宮沢りえも悪くはないがちょっと痩せすぎてて色気がない。おっ、水野真紀がかなりいいぞ。いけるいける。
吉本多香美、麿赤兒

『HIJIKI』堤幸彦
佐々木蔵之介、秋山菜津子

『JUSTICE』行定勲
傑作。これこそショートでなければ成立しない一編。こういうのが好きだ。説明不要。内容ゼロ。
妻夫木聡、綾瀬はるか、福井裕佳梨

『ARITA』岩井俊二
広末涼子でなくてもぜんぜん構わなそう。このところ岩井作品は『リリィ・シュシュのすべて』を見逃がしたりして結構抜けている。ビデオをプライベートな感じで撮るのは『ラブ & ポップ』の庵野秀明の方が良い感じ。広末君は『20世紀ノスタルジア』でもビデオで撮られてたが、普通っぽい感じが確かに合うのだろう。問題はこの年齢まではいいとして、さてこの年齢からどうすんだ?というところで、この点、気になる。この作品では従来的ヒロスエで、ちょっと気が抜けたかも。『WASABI』を見ないと。
広末涼子

最後に。時代劇がなかったのが残念。さすがに予算的に難しかったか。まあどれも二日間程度、セットはあってもせいぜい一つ、という感じだった。しかし一編、そこに時代劇があれば締まったろうなあと想像してしまった。

Report: Yutaka Yasuda (2003.02.12)


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