売れないマジシャン山田は、金に眼がくらんで「神」を演じる依頼を受ける。ところがその村には既に「神」を自称する妙な男たちが何人もいた。そこへ何故か上田教授がやってくる。貧乳と巨根の凸凹コンビが織りなすラブ・コメディの行方はいかに?
深夜テレビでやっていた『TRICK』を何故か僕は偶然に見た。仲間くんは意味なく好みの女優さんだったので、続けて見た。これがおもしろかった。なんというか独特の空気感があって僕ははまった。
その第二シリーズ、『TRICK 2』もまた見た。ますます磨きが掛かっておもしろくなった。これもまたずっと見た。主人公の貧乏ぶりや、毎回出てくる謎の東南アジア系にいちゃんの変な歌など、いわゆる「お決まり」のネタも楽しみに見た。こういうお決まりネタって久しぶりだ。『探偵物語』などはほとんどそれだけで出来ていて、僕は本当に好きだった。(それをかなりトレースしたと思われる)『私立探偵 濱マイク』のテレビシリーズにも随所にそれが散りばめられていて楽しみだった。こういうのってテレビ特有なんじゃないだろうか?他のドラマでももっと大事にしてほしい。
第 2 シリーズも終ったが、その『TRICK』が映画になって帰ってきた!見ないわけにはいかない。と構えていたら、なんと仲間くんと阿部くん、堤監督の三名が京都で舞台挨拶をすると言う。これは見逃すわけにはいかない。整理券まで貰って、一時間以上並んで見た。僕としては極めて珍しく行動力が湧いてきた。そもそも舞台挨拶ってはじめてなんじゃないだろうか?
さて、舞台挨拶だがなかなか面白かった。仲間くんは細かった。阿部くんはデカかった(背が)。堤監督はなんかヘンだった。しかし本当に面白かったのはその前後だ。
隣で並んで待っていた大阪のあんちゃんは試写会に行き、そこでも舞台挨拶を見て、そしてさらに今回並んでいるという。はっきり言ってマニアである。マニアに違いない。きっと「ぎゅうなべとかいてかたつむり(牛鍋と書いて蝸)」などお決まりのセリフがすらすらと出てくるのであろう。「まるっとお見通し」くらいしか言うことがない僕とツレくらいではお話にならないのである。ふと見回せば並んでいる人達は皆妙にテンションが高い(ような気がする)。もうこれは劇場総マニア状態か。そこへ紛れ込んだ我々シロートは「ヨソものだあっ!」と言われてしまうのではないか。
上映中は上映中で、なんだか皆テンションが高い。堤監督は舞台挨拶で「我々の夢は毎度、あの習字の紙に書いた。パート 1 のときはパート 2 やりたい、パート 2 のときは映画やりたい、と」と言っていた。本編の習字シーン。野際さんが「文字には不思議な力があります」と言うそのシーンでは、しっかり「パート 3 やりたい」と書かれていた。湧きあがる拍手。おかしい。かなりおかしい。
ともかくがんばれ堤さん!『TRICK 3』テレビシリーズ、楽しみにしてるよ!