13歳の彼女と、周囲の関わりを淡々と描く。彼女の毎日はどんなものだろう。これから彼女はどうなっていくのだろう。
彼女は学校に行かない。街をふらふらと歩く。出会った少年は宿なしの当たり屋だ。母親は疲れている。母親が付き合いはじめた男はまともに見えたがそうではなかった。金が要る。そんなときには決まって男から声を掛けられる。彼女が心を寄せていた元の教師は、今、自分を責めて北の街にいる。
13歳の彼女にとって、毎日は戦場だ。学校に行っても、うちに帰っても、ひとりでいても、誰かと過ごしていても、彼女の現実は決して安らかではない。彼女は誰と話すだろう。彼女は誰と過ごすだろう。
これはいったいなんだ?誰が彼女を穴につき落とそうとしているんだ?
僕が男だからか、のどかな地方都市にいたからか、それとも時代のせいか、それらすべてか。僕は中学生の頃、こんな毎日を過ごしてはいない。毎日が戦争だ。これが今の現実か?
悪意と、底意に満ちた恐るべきシステムに囲まれ、追い込まれて、彼女の心と体はその居場所を見つけられずに漂う。群らがる触手のなかをただふらふらと流れるように過ごす。伝わらずに捨てられていく言葉や気持ちと、自身を同じように捨てていく彼女と、その行き違いの日々は、果たして悲しいか?美しいか?