廃部寸前の水泳部が起死回生の一発に学園祭でシンクロを企画。しかしそこは男子校。男子だけのシンクロへのチャレンジが始まる。
『裸足のピクニック』『ひみつの花園』『アドレナリン・ドライブ』などなど僕が大好きな矢口監督作品だ。さて今度はいったいどこまで落ちていくのだろうか、、と思っていたら、意外や意外。どこにも落ちていかない。脚本が違うのかと思ったが、どうやら矢口さん自身によるものだそうで、こうなると毎度の落下感を楽しみにしていたのがちょっともの足りない。
これはもはや「矢口中毒」なのか。
まあそれはともかく、ここではシンクロといってもシンクロ用のプールなどではなく、普通の高校にある普通のプールを使う。だからちゃんと泳ぐ時もあるが、リフトの時などは実際下にいる奴はちゃんと足を底につけて踏ん張っている。高校生男子ともなると力はある。それで乗ってる奴をブン投げるんだからそりゃー飛ぶ飛ぶ。回る回る。
「それでええんかい」という意見もあろうが、僕は逆にこれを見て「おお、シンクロってのはつまりシンクロすることが重要なんだね」と再認識した。つまりそれが泳いでいるか立っているかということはたいして重要じゃないんだ。そう思って眺めてみると、なるほどそれはそれできれいだ。
『ウォーターボーイズ』でシンクロの真髄を見たのではないか。
まあそれもともかく、アイドルタレントが幾らか以上出ており、一部すんごい棒読みセリフのところがある。『月とキャベツ』のダンカンもあわやというところだが、それでも全体が非現実的な学芸会的雰囲気に満ち満ちているので、まあよしとしよう。ハナを添えたと思って。。。が、眞鍋かをりなんかは実際すごい役まわりで、ちょっと目が点になってしまった。さすが矢口さんだ。
しかしタレント事務所たるもの、いいのかそれで。
まあそのあたりもともかく、記録のために書いておきましょう。一番笑えたのはアフロ頭に火をつけてプールにとびこむ数秒のスローシーンだった。至福の数秒。腹を押さえてくっくっくっくっと苦しかった。だから矢口映画は素晴らしい。