Cinema Review

London Dogs

Also Known as:ロンドン・ドッグス

監督:ドミニク・アンシアーノ、レイ・バーディス
出演:ジュード・ロウ、サディ・フロスト、ジョニー・リー・ミラーズ、レイ・ウィンストン、ショーン・パートウィ、キャシー・バーク、リス・エヴァンス、デニス・ヴァン・オーテン

サエない郵便配達の自分に嫌気がさし、男は古い友人を頼ってギャングの一員となる。強くクールな男になりたかった彼の前に現れた親分はしかし、やたらカラオケを歌う男だった。団員もどこか情けなくヤワなことばかりしている。こんなはずじゃない。

ジュード・ロウのために見に行ったのだが、主役じゃないので出番は少ない。セリフも少ない。前情報やパンフレットや予告では歌うシーンもあるが、劇中ではなんと僅か 2sec 程度しか歌っていない。チラと歌声が聞けて、お、これは結構いけるかもと思わせたところでおしまい。彼は他にも『リプリー』で歌って見せていて、結構いけていたように思う。もうちょっと聞きたかったね。親分のおっさんのほうが良く歌っていた。

そう、ほんとこのおっさんよく映るしよく喋って歌ってたなあ。カラオケ大好きなギャングの親分なのだ。役者の多くは『ファイナル・カット』でも見た顔、つまりジュード・ロウ周辺の仲間たちだ。その中でザクッと作った感じがして、このあたりの雰囲気が結構良い。そういう匂いがする、と言えば良いだろうか。いかにハリウッド映画には固有の匂いがないか、ということの比較に便利かもしれない。(それはむしろアメリカと言う国の一つの個性なのだろうか。)
ファイナル・カット』もそうだったが、予算の掛からないシーンが多く、それでいてリアリティを感じる。映画と言うのは元々そういうものだったはずだ。

今回主演(?)のジョニー・リー・ミラーがまずまずいい感じで、これらのハマり具合はキャスティングの良さ、俳優の演技力、それと恐らく役と役者をイメージして作った脚本・演出のためだろう。かなり即興演出を採り入れたとパンフレットにはあったが、なるほどねえ。

相変わらず前情報無しに見ているので、これがコメディとは知らなかった。だからいきなり赤いカーテンをバックに歌うおっさんたちを見た時の違和感はかなりのものだったね。おおそれはまるで『バッファロー66』。

Report: Yutaka Yasuda (2001.10.28)


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