仮面の忍者赤影参上、といいたいところだが、昔の赤影のリメイクと言うわけではない。イマドキ赤影ばなし。
まあ監督が中野さんだから、というので見たようなものだ。
キャスティングは本当に豪華で、また本当に中野さんはキャラクターで遊ぶのが好きだなあと思う。篠原涼子の美人あんまは傑作だった。
ところで途中、天井裏でヨソの忍者軍団と鉢合わせしてギョっとなるところがあるが、ここのところのやりとりは実にバカバカしい。更に面白いのはこの描写は例えばリュック・ベッソンがよくやる「おバカな日本人」に酷似している点だ。ベッソンがやったらきっと「ああまたね」と呆れ、他の欧米映画では「何だこの野郎」となるに違いない。ん、ということは中野さんのオフビートなギャグというのはひょっとすると欧米でそのまま受けるのだろうか?
麻生久美子が適度に柔らかめの体型、走り方で、超ミニのくのいちという設定が割にハマる。本当はもっと走れる女優さんを使って動かした方がいいのでは?という気もするのだが、例えば吉野公佳や柴咲コウを思い浮かべても、さて、あのクニクニ感は出ないだろうなあ。そういう意味では「麻生さん結構動けるんじゃん」というところでそれなりに納得したのであった。
対して主演の安藤君はいまいちだったか。もっと鋭い線の俳優さんを捜せたのではないかという気もする。このあたりが映画が締まらなかった原因の一つかとも思うが、しかし『SF サムライ・フィクション』でもそうだったように、締まらないのが中野さんの一つの味なんだろうなあ。