サエない大学院生が夜警のアルバイトをする。そこには警察の死体置場がある。トラブルが、起きる。
まったくサエない。ユアン君、実にサエない。こういう役をやらせたらピカ一だと思う。『普通じゃない』で見事にキャメロン・ディアスの脇に回ったあのサエなさがそのまんま出ていた。逆に期待通りで楽しくもある。
内容的には全く B 級サスペンス映画なのだが、割に楽しく(?)最後まで見ることができる。ひとえに監督の手腕ではないかと思うが、なかなかこれは大したことかも知れない。
登場人物が非常に少ない状態で話が進んでいくのだが、どいつもこいつも怪しい。サエない主人公、過ぎた刺激を求める癖のある友人、ほとんど登場しないそれぞれの恋人たち、自身がサイコパスのような医者、コワモテの私服警官たち。それぞれにキャラクターが出ていて、全てを説明しない話の進め方とあいまって、話に幅を与えている。
何が起きているんだろう、誰が犯人なんだろう(こういうことを考えながら見るのがB級の醍醐味か)、これからどうなるんだろう。そう思わせることに成功している。
このあたり例えば『スクリーム』では見え見えで困るし、『ワイルド・シングス』ではわざとらしくていけない。(おお、偶然どちらもネーブ・キャンベル嬢が出ている。彼女最近見ないな。)
そういう意味で「すっ」と見られる、なかなか良い映画だと思うのです。(というわけでレビューもすっと終わるのであった。)
P.S.
しかし筆者は B 級マニアではないので、ここはひとつちゃんとした B 級評者の意見を聞きたい。