和製ダイ・ハード的アクション映画。冬の巨大ダムを占拠したテロリストと、ダムの運転員とのたたかいを描く。
『踊る大捜査線』が久しぶりに邦画の大ヒットとなったのは二年ほども前か。本作は同じ主演、織田裕二に人気女優を合わせ、真冬の黒部ダムで撮影したという、気力に溢れた作品、、だとは思うが、いまひとつ良くない。
ストーリーと環境から、『クリフ・ハンガー』と『ダイ・ハード』の影がちらつく。原作を読んでいないので何ともだが、まあ舞台設定としては悪くない。ただ映画としてのテンションが上がらない。どういうことか。『どら平太』『スペース・トラベラーズ』で感じたテレビドラマ調のテンションの低さだ。佐藤浩一など、好きな俳優が出ているのに残念。
劇場に行くのは、雰囲気を変えて見る側のテンションを上げるためでもある。『リング』で僕はものすごく久しぶりにホラー作品を見たが、これがビデオでは全然良くなかった。本作も劇場で見るにはどうにもテンションが足りないように思う。お茶の間ではどうなんだろう。いつかテレビ放映されたら試してみたい。
決めの場面というか、見せ場の間がちょっと長いような気がする。松嶋菜々子がテロリストを射ち殺す場面でも、そのカットや見せ方がちょっと頼りない。この「間」の長さは『スペース・トラベラーズ』でも痛感した。ジョン・ウーも同様にスローシーンを多用するが、彼のスローではテンションは下がらない。(見続けたら飽きるかな)
今度、絶妙の間が最高だった『鮫肌男と桃尻女』の石井克人監督の新作、『Party 7』を見に行こうと思う。我修院達也も出るらしいしね。