三人はパラダイスを捜していた。銀行を襲撃し、失敗した彼らは、警察の目を欺くために人質たちと組んでスペース・トラベラーズを名乗る。しかしパラダイスは遠い。
『踊る大捜査線』という織田裕二主演の作品が、随分とロングランを記録した。オリジナルの邦画、それもコメディタッチの実写エンタテイメントがこれほど売れたのは近年では珍しい。それが嬉しくもあって僕もこの作品はロードショーで見た。(深津絵里が出ているのも一つの理由だったが。)ともあれ、面白く、楽しめた。
今作はこの時のスタッフが多く集まって作られたらしい。ただし主たる俳優はほとんど変わって、せいぜい深津絵里が残ったくらいだ。
結論から言って、確かに集団劇としてそう悪くなく、楽しめると思うのだが、どうにもいけない。「間」がいけない。編集処理などで何とでもなると思うのだが、実に間延びしたカットが多く、その度に見ているこちらのテンションが下がってしまう。
『Four Rooms』の最後のエピソードでタランティーノが見せたカッティングの楽しさがもしこの作品にあれば、それはそれは楽しい映画になったのにと思う。ベテラン俳優陣それぞれが実に気色の悪い存在感を撒き散らし、渡辺謙などが画面の隅にチョコマカと映り込むあたりの演出は悪くなかったのに。。。
ただ、深津絵里観賞映画としては今作はなかなかお勧めだ。彼女は一体今幾つなのだろう。はじめの頃そうだったように、髪を短くしたせいで、ものすごく若くなった。やはりショートが似合う。