前世の業により、突然、危篤状態に陥った恋人を救う為に、自殺しかかっていたり、殺されかかっている5人の命を救う事になる青年の話。
香港出身の新人監督オキサイド・パンによる、タイのファンタジー映画。
ストーリーは良く有りそうな感じだが、ちゃんとエンターテイメントなテンポ、ノリでストーリーが展開していくので、見ていて飽きなかった。
映像も凝って作られていてなかなかカッコ良くて楽しいし、細かい演出も、過去の映画からの影響は感じるものの、絶妙な引用で効果的。
そして、何より驚いたのは、暴行シーンや死体の描写。マトモにエンターテイメントな作りをしているのに、かなりエグい。NHK教育で放映していたというのに…。(いや、タイらしいと言えば、タイらしいのだけど。)
ただ、こういったシーンに説得力があったお陰で映画全体に緊張感が持続したのだと考えている。私には、「死」がある程度リアルで重たい恐怖の対象として描かれる事で、主人公の切迫感にリアリティを感じる事が出来たのだから。
ちょっと安っぽいCGや、説教臭い部分などが邪魔だったが、全体としてみればそれは小さな傷だったと思う。