Cinema Review

スターシップ・トルーパーズ

Also Known as:Starship Troopers、宇宙の戦士

監督:ポール・バーホーベン
作者:ロバート・A・ハインライン
出演:キャスパー・ヴァン・ディエン、デニース・リチャーズ、ディナ・メイヤー

カニ虫のような異星生物と人類の戦いを描いた SF 大作。原作小説は非常に有名。しかし映画は駄作。

ああびっくりした。劇場で見なくて良かった。

いろいろ突っ込みたいところはあるけど、とにかく疲れた。非常に疲労感のつのる作品だ。見終った後には「どないしたろか!」という感想だけが残る。もうどうしようもない。この疲労感の原因についてここにちゃんと書くのはかなり難しいなあ。
この監督の作品で印象に残るのは『トータル・リコール』かな。これもまたトホホな映画には違いないけど、それにもうちょっと輪を掛けてくれたらいいか。
まずパワードスーツはどこにいったの?といった話を含めて、原作(ハヤカワSFの『宇宙の戦士』)のことは一切忘れなければならないのは当然。この段階で僕のように原作が好きで見にいった人はかなりガックリきちゃうはず。スタジオぬえのことも当然だけど忘れてね。
次に僕はCG映像目当てでもあったんだけど、これもいまひとつ。出来そのものはそれほど悪くないと思う。ただ現在の技術の延長上の結果として納得できる範囲のもので、何と言うかブレイクスルーがなかったのは残念。見せ方に工夫がなかったのもまずかったんだろうなあ。

でもそんなことより何より、映画としてこれは駄目。主人公も含めて登場人物が軒並み超単細胞で、とても人間と思えない。カニ虫並み低能人間vs本家カニ虫の、撃ちまくり&チギられまくりのスプラッター映画。どうしてこんなの作ってナットクすんの?

ちょっと前のレニー・ハーリン監督の作品に『クリフハンガー』という疲労度の増すやつがあるが、聞いたところによると最近でも「どないしたろか!」的な評価の作品が幾つかあったらしい。『インディペンデンス・デイ』『ゴジラ』(おおっと二つともエメリッヒ監督作品だ)などだ。幸か不幸か、僕は両方ともまだ見てない。
この作品もその系列に属すらしいということは聞いていたが、もし同レベルの疲労感があるのだとしたら、やっぱり見ない方が良いということかなあ。うーこわい。

劇場で堂々と掛かる映画にもすごいのはあるんだねえ。

Report: Yutaka Yasuda (1999.01.01)


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