Cinema Essay

Beverly & Eliot Secret Talking Part 3


☆Eliot☆
ビバリーにひきずられる様に一時期「イギリス映画」に走っていた私…。という事で今回は英国アクターについてお話しましょう。

私が一貫して好きなのは「舞台あがり」で「カメレオンアクター」であるという事。(つまり演技力のある人が好きなんですね。)となれば、やっぱり一番はダニエルディルイスをおいて他にいない訳でして…ビバリーはどう思う?

★Beverly★
ダニエルと言えば『眺めのいい部屋』は完璧だったよね。あの時代のお衣装をきれいに着こなしてたと思うわ。彼は鑑賞に十分耐え得ると、わたしも思うの。

☆Eliot☆
そうよね。私もそう思う。『眺めのいい部屋』と『エイジオブイノセンス』は着こなしが似てたね。私は『存在の耐えられない軽さ』が絶品だと思うんだけど…『ビューティフルランドレッド』のジーンズ姿なんて似合わないかなと思ったら意外と似合っていてびっくり。誰かさんはすごく似合ってなかったから余計にそう思ってしまったのかもしれないんだけど…

★Beverly★
えっ?それってウェットスーツなんか着ちゃって、おまけに絶叫しちゃったひとのこと?

☆Eliot☆
そう、もうお分かりでしょ。誰とは言わないけどね。

★Beverly★
言わなくても結構よ。
ところで、わたしまだ『存在の耐えられない軽さ』は見てないの。この夏休み中に完璧にしてきます。『ランドレッド』ももう一度みなくちゃね。

☆Eliot☆
マイビューティフルランドレッド』ってスティーブンフリアーズ監督でしょ。『危険な関係』と同じ監督なのよね、知ってた?

★Beverly★
ううん、知らなかった。そうだったの。かたやコスチュームものでかたや現代ものなのね。でも、コスチュームものの大御所っていえばやっぱりジェイムズアイボリー監督よね。彼は最高です。(笑)

☆Eliot☆
そうそう、『眺めのいい部屋』にジュリアンサンズが登場したじゃない(私は嫌いなんだけど)。なんだか、凄くあの役似合わなかったよね。ダニエルディルイスの引立て役だったのならそれはそれでいいんだけど…。でね、『ボクシングヘレナ』で自分の世界を見つけちゃったっていうか…水を得た魚の様なはまり役だった訳じゃない。やっぱり彼はああいう路線がぴったりなのかもね。ビバリーはどう思う?

★Beverly★
わたしはまだ『眺め』のほうは許せる範囲内だわ。そんなに目立つ人っていう感じゃなかったけど。でも『ヘレナ』はね。。いまでもハッキリと覚えているわ。わたしの好きな曲も、なんだかちゃっかり使われていたりしてヤメて!って叫びたくなったわよ。(ちなみに、『眺め』のオープニングに使われる曲なんですが。)

☆Eliot☆
私もグレゴリアンチャントで一曲好きな曲があったんだけど、使われてしまった。そういえばジュリアンサンズって『裸のランチ』に出てたんだけどあれもとんでもなく怪しげな、いかがわしげな役だった。『モーリス』断ったクセにね。

★Beverly★
ダメよ。『モーリス』の名は出さないで。神聖な禁断の世界のお話なのよ!あれはあの3人組でよかったとわたしは思ってるんだから。ウィルビーでいいのよ。ジュリアンだったら生々しすぎるわ。『モーリス』がコケちゃうでしょ。エリオットが常々言ってくれてたのよね。『モーリス』なんかに飛び入り参加されたら、ほんと、総コケっていう感じよ。(でも、アイボリー監督はジュリアンを主演させたかった、らしいんだけどね。彼はお気に入りなのよね、きっと。)もしそうなっていたら、『モーリス』が踏み絵になっていたわけね。(よく考えたら、わたしは『バイブス』とかいう映画と『アラクノフォビア』という映画もちゃんと見ていたのでした。ともにヘンな役だったけど。いま思えばなんであんなの見てしまったのか自分でも許せないくらいだ。)かれもその路線系なのよ。

☆Eliot☆
あー、これも言っておかなければならないわね。ルパートグレイブスの事。『眺めのいい部屋』(完全版をわざわざ映画館で観てしまった私です。)では凄く可愛いい弟を演じていたのにその後、完全にこけたわね。『モーリス』でしょ『ハンドフルオブダスト』そして『ダメージ』。まー彼は演技で勝負って所でしょうか。脇役はピカイチだね。ビバリーの意見も聴かせて…。

★Beverly★
彼には名脇役になっていただきたい。そうよね。いま思えば『眺め』のときが頂点だったんだなって。あんなに愛らしい少年がねぇ。。主役っていうのは脇役があってこそ、って言うじゃない? だから、いいのよ。『ダメージ』のときだってチャッカリ、ジェレミーの息子役でしょ?ああいう親子もいたのね、って新鮮な感動をおぼえたわ。目を疑ったものよ。エリオットは?

☆Eliot☆
そうね、あれでいいのよね(妙に納得!)「ジェレミーと顔が全然違うじゃない、ガタイが全然違うじゃないっ」て怒るのはお門違いというものよね。(もっとも私は怒るというより大笑いしてしまったんだけど…)そう考えてみたら「モーリス三人組」の中で一番駄目になったのは誰かしら…「ジェームスウイルビー」は『ハワーズエンド』でお目にかかったぐらいだけど、昔のあの面影はなかったよね。で、ヒューグラントは最近アメリカでもブームになっているみたいだけど、もういいって感じ…見たくないのよね。でもコメディ路線を打ち出したのは偉いと思うわ。彼は彼なりに生き残りの方法を見つけたのよ。そう思わないコト、かつてヒュー狂いだったビバリーは?

★Beverly★
ヒューにはね、狂ってたわけじゃないの。(『モーリス』の前半、カレッジにいたころの、それもほんの一瞬の表情が好きだったわけで。。といってフォローを試みる。)コメディー路線に走るなんてね。予想もしなかったことよ。でも、もういいの。あれは一時的な急性の胃腸炎みたいなものだったのよ。わたしとしては、か〜るくクリアしたわ。ジョン(ジョン・ローンのことよ)が現れたんですもの。それから、ジョン違いなんだけどね、わたしはジョン・マルコビッチなんかも結構好きよ。彼を初めて見たのは『危険な関係』で、どこかの貴族の役だったわよね。で、つぎは『シークレットサービス』でクリント・イーストウッドにからんでくる役で、大胆にも米大統領暗殺をもくろんでいたりなんかしてたのよ。やたらとクセ(個性)のある人っていう感じだけど。彼の最新作は『メアリーライリー』っていって、『ジキル博士とハイド氏』役をやってるんだって。で、彼の小間使い役をジュリア・ロバーツがやってるのよね。そうそう、エリオットはこっちのジョンについても、何かいいたいことあるんじゃないの? (ジョンっていう名前を挙げていったら結構でてきそう。そうでもないか。)

☆Eliot☆
ありがとう、ジョンマルコビッチに話を振ってくれて…ジョンマルコビッチは私の周りにもファンが多いの。私が広めたようなものなんだけどね…
カメレオンアクターの大御所よね。ダニエル=ディ=ルイスとタメを張れるのはこの人しかいないと思ってるもの。『危険な関係』みたいなコスチュームものはヤッパリ無理があるかもしれないけれど(ビジュアル的にね。)でもジョンだから許そうと思ってしまう。演技だけで十分もつもの…。グレンクロースも負けず劣らず凄くて圧倒されてしまいました。(笑)『危険な関係』『マイビューテフルランドレッド』のスティブンフリアーズ監督が『メアリーライリー』(後に『ジキル&ハイド』という邦題に変更しました。)をとるのよね。マルコビッチフリアーズコンビの再来か…。とても楽しみだわ。
『二十日鼠と人間』のレニーも本当に目をみはる演技で、もうここまでいくと神技!!ビバリーはこの映画、見た事ある?

★Beverly★
ごめんね。『二十日鼠と人間』はまだ見てないの。
えっ?「ジョンだからいい」って?わたしのマネしないでちょうだい。わたしも前に同じことを言ったおぼえが。。「許そうと思ってしまう」っていうところも全くの同感。グレンクロースは怖かった。彼女はなにかと危険がつきまとうのよ。ミシェルファイファーはおとなしかったぶんね。

☆Eliot☆
そうそう、ミシェルファイファーロバートレッドフォード主演の『アンカーウーマン』最近、試写会で見たんだけど、本当にくだらなくてイライラしたの。こういう路線の映画ってもう私、生理的に受け付けないのかもしれない。どんどん世間ずれしていくの。『戦慄の絆』で泣けるのに、こういうのでは泣けない人間になっていくのが日に日に分かって自分でも恐ろしくなるのよ…
ビバリーは?

★Beverly★
わたしに皆まで言わせないでちょうだい。わたしも最近キテるな、って思ったことに、大学のAVセンターで月間のベストテンが張り出されてるんだけど、もうぜ〜んぜん興味ないのよ。もうふつ〜のひとじゃなくなっちゃったみたいな感覚。

☆Eliot☆
そうでしょ、そうでしょ。駄目なの、一貫してあーいう大衆的な映画は、もう見ててもつまらないなって思ってしまう。そして、どんどんカルトに走ってゆく…。結構、重症よね。こうなってくると…

(つづく)

Report: Beverly & Eliot (1998.03.13)


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