Cinema Essay

Beverly & Eliot Secret Talking Part 2


☆Eliot☆
今回は今夏の話題作『ミッションインポッシブル』と(内輪だけの)話題作『魅せられて』について語りたいと思います。(注:「見る前に」って所がポイントです!!)じゃー、Beverly意見をどうぞ…。

★Beverly★
そうなのよ。ず〜っと気にかかっていたのよ。こんどの『魅せられて』はどんな感じになっているのかな?ってね。夏休み映画ってことでもうそろそろ話題になってもよさそうなものなのにね、ぜーんぜん何の音沙汰もないじゃありませんか。で、『ミッションインポッシブル』はやたらとCMが流れているという。これは何かを暗示しているのかもしれない? あぁ、たまらなく不安だわ。ということで、ちょっと紹介させていただきます。

出演はジェレミー・アイアンズと誰か女の人で(編集 Eliot:リブタイラーという女優です。)監督はベルナルド・ベルトルッチ。ジェレミーは白血病の作家でご登場するそうです。某映画関係の雑誌にはジェレミーのバンダナ姿が載っていたのですが。。わたしは怪しいと思っているの。抗ガン剤を飲まされ続けてついにジェレミーの頭は。。ってね。それにあの絵をみたらラフな格好していたからね。ぜったいにスーツとサスペンダーは出る幕がなさそうな。。『ダイハード3』でTシャツ姿でのご登場でしょ? なら、次は。。というわけで期待も大きかっただけに、この残念さはね。

☆Eliot☆
そうよね、トムクルーズの作品になると毎回毎回どうしてあんなにお金かけて宣伝するのかしら?トムクルーズって名前だけでもう宣伝効果十分なわけじゃーないですか。なのにあんなにお金かけてこれ以上宣伝する必要あるのかって思ってしまう。『スパイ大作戦』のリメイクっていう話題だけで人は入るでしょう。でトムクルーズという看板スターを掲げてりゃ嫌でも人は入るわけ、特に日本の場合はね。

※因みに私は小学生の時<ちょうど『トップガン』の頃ね。>トムクルーズにはまってました。決して嫌いな訳じゃないよ。今日も「トムクルーズの来日記者会見」テレビにむかってかじりつくように見てたし…

ドル箱スターなんだから。いまさらあんなに宣伝しなくても嫌でも大ヒット間違いなしなんだから、この際ほっといてもいいでしょう。それよりもっと大切な映画忘れてませんこと?もっと宣伝が必要な映画っていっぱいあるでしょう?

私はベルナルドベルトルッチ監督(私は好きです。)の最新作『魅せられて』をもっと話題にしてほしい!でなけりゃ、ベルナルドベルトルッチ本当に今度は皆から見放されてしまうかもしれないのよ。『リトルブッタ』で完全にこけたんだから。これ以上失敗されては困るの。芸術度の高さと興行成績は必ずしも一致すると限らないし、反比例してしまうっていうこの不条理さがこの世の中にはある訳、で興行成績よりも芸術度を重視するベルトルッチはこうなってくると完全に弱いわけね。(あー、熱っぽく語ってしまった。)

※あ、でも私ベルトルッチはひいきにしてますが『リトルブッタ』はどうかと思う。一人よがりの観念で撮った映画なんじゃーないかなんて思ってしまう。もっとも私の読みの甘さかもしれないけど…。

★Beverly★
そうよね、そうよね。『ミッション』のトムはやたらとハリキッテるでしょ?ああいう元気のいい映画なら誰でも見に行きたいと思うのが人間のサガってもんよね。それに比べてどう?わたしのジェレミーは白血病で死にそうなのよ!も〜、たまらなく憤りを感じてしまうわ。わたしのなかのジェレミーの地位が危機にさらされている時なのに。7月上旬公開ということでホントにもう話題になってもいい頃なんじゃないかしら? それなのにCMも流れてないなんて。ベルトルッチと組んだのが失敗のモトだったのかしら、って自ら墓穴を掘るようなこと考えちゃって、先が暗くなりそうじゃないの! わたしだって、ちゃんと(ジョン・ローン見たさに。。)『ラストエンペラー』見たわよ。あれはあれでそれなりのドキュメンタリー作品に仕上がっていたと思うけど。

※そうそう、『エム』と『ラストエンペラー』をみて「ジョン・ローンの法則」を発見してしまったわ。おしえてあげましょうか?彼は歌うの。京劇やっていた過去があるから声には自信があるんじゃないかしら…

☆Eliot☆
ラストエンペラー』って質のいいドキュメンタリー映画で一大スペクタクル映画にはなっていたけどあれじゃー「知ってるつもり!?」っで流せばいい話よね。

※しかしこんなにけなしていいのかなーいちおうこの映画って「アカデミー賞9部門受賞作品」っていう冠つけてるのよ。まー私はアカデミー賞の価値自体そうとう怪しいと思っている人間なんでこういう人に「アカデミー賞受賞作」っていうプレミアは全然意味を持たない訳ですが…

あの映画でブレイクしたって事自体が間違っているのよ。その割にはその次の『シェルタリングスカイ』という名作が評価されないなんて…。私は悲しいです。多分、違った論点でしか語られないんだろうな、この映画も。そういえば『ラストタンゴインパリ』っていう映画も私は名作だと思ってたんだけど芸術として語られる事は少なく違った観点でしか見て貰えなかった。それも凄く悲しむべきことなのよね。
それでベルトルッチはファシズムとエロティシズムという2大看板を掲げてハリウッドに乗り込んだ。でここではオリエンタリズムというのを全面に押し出した訳で、これが成功したのか失敗したのかは分からないんだけど、とにかく我が祖国で映画をとろうと思った訳なのよね。っで今回の『魅せられて』があるわけです。

※私は『シェルタリングスカイ』一勝VS 『ラストエンペラー』『リトルブッタ』二敗とベルトルッチはハリウッドに勝てなかった、と思うんですが…イタリアの情勢が安定したから本国に戻って映画を撮ろうと思った訳ではなくハリウッドに敗けて本国に戻ったのだと考えているわけですが…。だってね、ハリウッドってなんだかんだいっても商業的なんだもの。興行収益さえ高ければそれでオーケーって世界なんですもの。ベルトルッチはそれに嫌気がさしてしまったんだと思うわ。

うーん。ビバリーは今度の映画どういう路線で来ると思う?

★Beverly★
わたしはねぇ、えぇっと、今回も「ジェレミーの法則」で攻めてくるとおもうわ。彼は死ぬのは間違いないでしょうね。悲しいことだけど。で、舞台はイタリアのトスカーナでしょ? 自然を見方につけて、と。そういえば、ジェレミーのワイフも出てるんだよね、エリオット?その点では興味津々ものよね。それから『エムバタフライ』『ダイハード3』に続いて「狂気」ものになるのかしらね? どこまで転がり落ちていくか、っていうヤツね。これも楽しみ。ジェレミーのお相手をするのがこんどはリブタイラーっていう女の人よね。で、設定では17、8、9の娘さん、っていうじゃありませんか。こんどはロリコンになっちゃうの、ジェレミー?!ちなみにエリオットはどんなあらすじを用意してるの?見る前から。

☆Eliot☆
そうね。だってジェレミーの次回作(『魅せられて』の次)は何と言っても『ロリータ』だものねー。(笑)
見て全然違う話だったら大笑いなんだけど(ビバリー、この映画を見た後での後日談を書こうね。)ベルトルッチとジェレミーアイアンズとこう来たらもう決まってるわよ、今回の話はファシズムは関係ないでしょう?でもってオリエンタリズムからも離れてしまった訳だし…そうなるとどうなるのかしら。やっぱり残るのは愛欲モノ官能路線に走るんじゃーないですか?ここで思い出してよね。『ダメージ』と『ラストタンゴインパリ』のビデオカバー、もうそっくりな訳なの。ルイマルが勝手にベルトルッチを真似したのかもしれないけど…で私はなんとなくこのカップリングの今度の路線が読めてしまう訳です。ビバリーの意見聞かせて…?

★Beverly★
わたしもこの2つの箱の絵はすっごく似てると思うわ。でも『ラストタンゴインパリ』は庶民的よね。逆に『ダメージ』はもっとハイソな感じがして、わたしは断然『ダメージ』の箱がすきだわ。なかにはバッタかなにかみたい、って言う人もいるみたいだけどね。
ラストタンゴインパリ』といえば、マーロン・ブランドで一言いいたいんだけど、 かれは外見と声がアンバランスだと思うのよ。きもちわるい。わたしは言っておきますけど、高い声がきらい、っていうわけじゃないのよ、おおいに結構なのよ。でもね、あの外見ででしょ?

☆Eliot☆
マーロンブランドほど「歳をとるとこうも変わるのか、歳をとるって怖いことなのね」って感じさせられた人はいないわ。歳をとることの恐怖を知った最初の人。だって考えてみて『欲望という名の電車』のデビュー当時と、この『ラストタンゴインパリ』の頃とそれから最近の『ドンファン』ですか?この三作品を見比べてみてよ。絶対同一人物には見えないから。もう映画に出なくていいでしょうって思うのにしつこく出ているのはどういう事?彼を見てノスタルジーを感じる人なんていないでしょ。彼を見て思うのは哀れって言葉だけ…。スクリーンから姿を消しても誰も困らないのに、でも出ちゃうんだよねー。この執念ってどっから出てくるものなのかしら。役者のサガってものなのかしらね。私にはわかんないわ。

※これはロバートレッドフォードにも言える事。監督として成功してるんだから、もう俳優業やめてもいい頃なのに、しつこく出てる。もういいのにね…。(笑)

Report: Beverly & Eliot (1998.03.13)


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