素晴しい演奏家として現在も活動しているオーストラリア出身のピアニスト、デヴィット・ヘルフゴットの半生を基に、スコット・ヒックス監督が綴る「愛」の物語。
☆アカデミー賞最優秀男優賞、ゴールデングローブ主演男優賞受賞☆ニューヨーク批評家協会最優秀主演男優賞受賞、☆D・Wグリフィス最優秀作品賞受賞☆ロサンゼルス批評家協会最優秀主演男優賞受賞、☆オーストラリアアカデミー賞九部門受賞
制作●ジェーン・スコット
監督●スコット・ヒックス
脚本●ジャン・サルディー
撮影●ジェフリー・シンプソA.C.S.
編集●ピップ・カーメル
音楽●デヴィット・ハーシェフェルダー
デヴィット(成人)●ジェフリー・ラッシュ
デヴィット(青年)●ノア・テイラー
デヴィット(少年)●アレックス・ラファロウィッツ
ピーター●アーミン・ミューラー=スタール
ギリアン●リン・レッドグレイブ
セシルパークス●サー・ジョン・ギールグッド
とにかく泣ける。一時間四十五分の間にいろんな涙がこぼれた。
彼は天才ピアニスト。ずいぶんつらい人生を歩んで来た。「生きることは過酷だ。」と、こころの病に冒された彼が、単調に何度も繰り返し呟いていたシーンが心に焼き付いています。
本当に生きることは過酷で、それはだれにとっても同じこと。この作品は、少なくとも子どもには魅力的ではない。生きることについて深く考えていなければ、大人も退屈さを覚えるかもしれない。
デヴィット・ヘルフゴットの生き様と美しいピアノ音楽にのせて、人生の濃厚ミックスジュースを見る人は飲み干さなくてはならない。孤独、我欲、喜び、悲しみ、勇気、希望、絶望、様々な愛、そして、やすらぎ。だれでもこのミックスジュースのなかの、全てとは言わずとも、数種類の材料を自分の生き様に、投影してみることができると思う。そうしたとき、おそらく皆さん、泣けてしまうのではないでしょうか。
主演のジェフリー・ラッシュは、心を病んでしまうデヴィットをとても愛くるしく演じています。作品全体は非常に重い雰囲気が続きますが、デヴィット役がジェフリー・ラッシュに変わるあたりから、少しずつ変わってきます。演技の素晴しさは彼が受けた数々の賞が証明しています。
また、作品中で、聞くことのできる音楽の大半はデヴィット・ヘルフゴット本人によるものなのだそうです。その辺にも着目して観てみると、感動もひとしおかもしれないですね。