Cinema Review

The Long Kiss GOOD NIGHT

監督:レニー・ハーリン
出演:ジーナ・デイビスサミュエル・L・ジャクソン

8年前、記憶を失って海岸で発見された女は、ある日を境に命を狙われ始める。8年前の自分が狙われている事を感じて、彼女は家族の安全の為に自分の過去を捜しに行く。見つかった過去の肩書きは CIA 局員だった。

やってくれるぜジーナ・デイビス。まず予告の数ショットのカッコ良さに見ようかどうしようか迷ったけれど、ポスターの彼女がこれまた決まってたから「これは見なくちゃいけないんじゃないか?」と思って見てしまった。そして見て良かった。なかなかその通りカッコ良いじゃありませんか。

彼女はまず背が高い。180cm程もある。そしてガッチリした体格である。飛び抜けた美人ではないが、なかなかどうしてこれも悪くない。そしてアクションが決まっている。吹き替えでは無い生身のアクションが緊張感を盛り上げてくれる。うーんすごいぞ。
彼女のアクションは前作『カットスロート・アイランド』(未見)と合わせて監督であり夫であるレニー・ハーリンとのコンビだ。そう。レニー・ハーリンなのだ。。。。

どうも僕はレニー・ハーリンには良い印象が無い。これは『クリフハンガー』から来るものだ。キャスト、脚本共に良かったと思うのだが、何が問題と言って、そう、大味なのだ。『クリフ・ハンガー』は劇場で見たのだが、まるでテレビ放映でカットされたかのような「をいをいアイツはどうなった!?」と言う個所が幾つも合った。「をいをいそれは無いやろう」という不自然な所も。きっと監督は「や、君ぃそんなことはどうだって良いんだよ、ほらそれよりここでアクションアクション!」てな事を言いながら作ってたんだろうなと勝手に思うことにした。因みに彼はジーナ・デイビスより更に一回りサイズアップした大男である。

ジーナ・デイビスと言えば僕の記憶には『プリティ・リーグ』が大きかったが、それ以前に『フライ』があるじゃないかと知人が教えてくれた。僕はクローネンバーグのしつこいファンなのだが、どうも『フライ』は印象が薄い。劇場で見なかったからだろうか。その知人にパンフレットを見せてもらったが、若い頃は今よりよほど線が薄い。歳を取ってからの、この線の強さが売れている理由なのだろうか。

ともかく、本作は良くも悪くも大味である。大女主演、大男演出のアメリカ製大味アクションである。三拍子じゃないが、これだけ揃えば悪かろうはずが無い。そんな映画が見たくなった向きには大推薦だ。見るべし。

Report: Yutaka Yasuda (1997.10.06)


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