Comic Review

ぶかつどう

作者:伊藤 清順

天才中学生、金田光正の大激闘な学園生活。

『ぶかつどう』は週刊少年チャンピオンに連載されたとってもとってもヘヴィでカルトな作品である。ジャンプ好きだった人ならこの作品の異様に硬派な嘘臭いテンションをギャグとして笑う事が出来るだろう。全編細部に至るまで行き届いた少年漫画パロディーの嵐はもの凄く、「話が膨らみ過ぎて作者が潰れる」部分までギャグにするという徹底ぶりは、いい歳した漫画好き連中の脳をビンビンに刺激した。「いまさら熱血漫画」の王道的ベタベタ展開を、「中途半端な放ったらかしのボケ」と「変にカッコ良いコスプレの美形キャラ」で「妙〜な今ドキの漫画」に改良して、読ます、読ます!
残念ながらコミックス化はされていない。本当に残念だ。そこで、せめて僕が覚えてる限りの知識だけででも、『ぶかつどう』の世界を紹介したいと思う。もし少しでも間違ってたら本当にごめんなさい。

第一部:異種部活動バトルロイヤル編

金田光正の無敵の活躍、全てはここから始まった!

(VS全央中)
1.バスケ部キャプテン:橘丈太郎
2.釣りクラブリーダー:なんとか(ホントにこの名前)
3.野球部主将:轟三郎太
(VS朱丘中)
1.美術部:西城
紙粘土バトルで金田と対決。もの凄い彫刻を作るも、金田の作品「もち」(実際に食える、が、後で腹痛になる。)の前に敗退。
2.百人一首クラブ軍団
正月に金田のクラスの担任教師(パンチパーマがイイ味!)のアパートで金田とかるた対決 。先生の独身生活の切なさが伝わってくる良い話。
(VS全国)
スキー部代表として全国大会に出場した金田。第一部のラストにふさわしい壮絶バトルを展開する。

第二部:全央中部活動十五人衆編

全央中と朱丘中の対抗戦。毒薬を飲まされた金田達は24時間以内にゴッドを倒す事が出来るか!?

<朱丘中代表メンバー紹介>

1.金田光正(Mitsumasa Kaneda)
学ランの両腕に巻いたマフラーと変な靴紐の結び方がトレードマークの主人公。あまりの才能ゆえに朱丘中学校の全てのクラブに所属し順番に回っている、人呼んで「さすらいの部活野郎」。美男子。プリンが苦手。必殺技:金田固めetc.

2.浅倉のりこ(Noriko Asakura)
多忙な金田のスケジュールを管理する専属マネージャー。通称のりちゃん。金田に振り回されていつも不幸な目に逢っている。清純派美人。無能。リングネームは「トトロのりこ」。

3.京橋氷也(Hyo-ya Kyoubashi)
はからずも「リングにかけろ」剣崎順と同じ”スーパースター”の異名を持つ、運動系クラブ専門の伊達男。かつて全央中十五人衆に敗れて以来、凄まじい身の隠し方を強いられていたが、金田に凄まじく発見され、凄まじい復活を果たし、凄まじい活躍をする。頼りになる奴。女嫌い。のりちゃんとは小学校も一緒。朱丘中では空手部に在籍。必殺技:風車の理論EXetc.

4.円科七重(Nanae Madoka)
朱丘中に乗り込んできた「全央中文化系三首領」を瞬殺した実力を買われ、かつ金田に惚れてメンバーに加わる。専門は文化系。個性派美人。運動は苦手。リングネームは「マングースまどか」。

5.仲本羊助(Yo-suke Nakamoto)
通りがかっただけなのに「全央中文化系三首領」に死ぬほど料理を食わされ、花壇に埋められ、手芸でデコレーションされたところを金田に発見され、よく分からないままメンバーに強制参加。キューピーチョンマゲがキュートな肥満デブ。無能、かつ裏切る困ったオタク。トマトケチャップを持ち歩いている。対プロレス部戦で金田と組んだタッグ名は「KN砲」。

<私立全央中学校>
あらゆる才能をもつ少年少女をスカウトしてよせあつめた超エリート校。卒業後、各界からのプロスカウトをより良い条件で得る為に無敵の才能を誇る事を必要としている。ヒエラルキーは、ゴッド-15人衆-主将クラス32人-部活動全部員約1500人という具合。

<ゴッド>
全央中生徒中No.1の実力をもち、全部活動の頂点に君臨する正体不明の謎の男。自分と似たタイプである金田を倒して才能を誇示する為に今回の対抗戦を企画した。当然全てのクラブの技術をマスターしており、なぜか全てのクラブの道具を身に付けている。しかしやる事が汚く、金田とのラストバトルでは刃物まで使用した。

<全央中部活動十五人衆>
霊峰富士十五部室で朱丘中ベスト5を迎え撃つ、ゴッド直属の実力派集団。普通の主将クラスとは神と蟻ほどの力の差を持っている。卓球部姫上京也、天文部星、ゴルフ部 球名、生物部 宅鍋など曲者揃いだったが、実際に闘ったのは自動車工学部 三島大鉄、プロレス部 石黒、バトミントン部、料理部、ドミノ同好会人間の5人。残りは全員のりちゃんが作ったカレーを食べて絶命した。

<最終回>
全央中との対抗戦に完全勝利し見事解毒剤を手に入れた朱丘中。そして金田は遂に自分が本当に入るべき部活動を発見する。それは「のりちゃんファンクラブ」だった!走り出す金田。フィナーレ。う〜ん、か、完璧なエンディングだ。ぜひもう一回読みたいなぁ。

Report: Takahiro Koga (1997.08.29)


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