男は殺され、女は犯された。盗賊は女を勝ち取ったと言い、女は違うと言う。殺された男の話はしかしそれとも違う。真実は誰のものか?
原作は芥川龍之介の『薮の中』。これを原作とした作品には他に黒澤明の『羅生門』が知られているだろう。この非常な有名作の二番煎じともなりかねないリメイクに監督は挑んだということになる。さてその結果は、、、、
と、うーん、何とも、だ。僕はあまり好きにならなかった。結局『羅生門』を超えているようにも思えず、監督がこだわったと言うワイドスクリーン(シネマスコープ?)の絵作りも半端に思えた。黒澤明の活劇映画にはシネマスコープをいっぱいに使った構図が幾つもあり、また実に「決まって」いたと思うのだが、そう言う印象も無い。
配色と光の印象がちょっと面白かったが、わざとらしい感じもする。
役者の髪型やメイク、セリフが今風なので、要するに現代劇なのねとも思った。
が、しかし。いいのだ。そんなことはどうだって。
そう、天海祐希が、おキレイなのだ。彼女は元宝塚の(男役)トップスターなのだが、これがまた美人。良い。感動的なのであーる。演技がなっとらんとか気にしちゃいけない。天海祐希鑑賞映画と思えばこれがまた、うー!天海さまっ!
しかし彼女は相当な長身のはずで、隣にいるのが豊川悦司と金城武の二人だから良い様なものの、大抵の役者なら絵としてはすごいアンバランスになりそう。面白いキャスティングとも思えたけれど、絵から考えると選択肢はかなり狭いのかも知れない。
や、良いんだってばそんな事は。天海祐希がしゅるしゅるしゅるしゅる。ううっ、天海さまあああっ!