お金にやたら執着のある女の子は銀行員になった。そして銀行強盗の人質になる。何とか生還した彼女は、それから富士の樹海に沈んだ現金入りスーツケースに夢中になる。
奇妙な映画だ。矢口監督の前作『裸足のピクニック』も似たような墜落型?コメディらしい。つまり普通の女の子が坂を転がるように非日常的な状態に転落していくというストーリーなのだそうだ。この作品ではしかもその落ちようがミエミエなのだ。
そう、実はこのミエミエ感が良いのかもしれない。しかもチャチなのだ。所々で特撮的なシーン等が出るのだが、これがまたプラモデルを組んだだけと言う並みにチャチなのには恐れ入った。余りにチャチなので、結構受けてしまい、特に後半アパートの床が抜けるシーンを見てから素直に笑って見られるようになった。この辺りがこの監督の面白さなのかもしれない。デビュー作の『裸足のピクニック』も一度見たくなった。
ところで西田尚美さんはおそらく結構な美人だと思うのだが、この作品では姿勢の悪い、表情のおかしなOLとして出てくる。他のテレビ番組などではちゃんとした(?)ルックスで出ているので、美人大好きの僕としては今後に期待したい。逆に僕ならこういう美人をこういう風に使うと言う事はようせん(とても出来ない)なあと思ってしまった。勿論そんな機会はありゃせん(無い)のだけれど!