非常に面白く,ヘンデルのテキストがよく分かる演奏。
全体:
非常に面白く,ヘンデルのテキストがよく分かる演奏。
指揮者:延原武春
時折片足を上げる姿がチャーミング。:-) 全体に非常によく動く。指示はかなり多くしかも的確。合唱のコントロールは万全。強引にオケを引っ張ったり無理な解釈が全くない。3拍子の中に「変拍子」が入るところではそちらに合わせて振る。開幕前の「メサイア」(というかヘンデル)解説もユーモアもあって良かった。
オーケストラ:テレマン室内管弦楽団
抜群に良い。現代楽器を使っていたが,ノン・ビブラート奏法主体で同時代楽器のディナーミクや奏法を使った透明感のある演奏。決して歌を邪魔することがない。小回りも利きよく揃っている。普段一緒なだけに指揮には最後まで完璧についている。4/3/2/2/1の小さな編成。第 2 部で若干ピッチがずれていた様子でほんのちょっとだけ残念。鍵盤はチェンバロだけでオルガンはなし。
ソリスト:(メンバー略)
Sop が最も良い。TCO の団員なればこそ。やや軽い感じがするが非常によく通る声。 Ten もなかなか。 Alt, Bass は低いところが通りにくく難しいが,それでもやや通りが悪かったのが残念。速いパッセージのブレスは Sop 以外がやや不自然でちょっと気になる。
合唱:(名前がプログラムに記載されていない)
アカペラでもなかなかきれい。 Sop が大健闘。速いパッセージもなかなか。例にもれず男性が少ないのが残念。 Ten がよく健闘。一人とてもよく動く人がいて目立つ。:-) Alt, Bass はやや重たい感じだったか。
テキスト:
1750 年版とか。 Pifa は前半 1 回のみ。 No.16 の Sop のアリアは 4/4。 No.18 のアリアは Alt と Sop の両方で。「ハレルヤ」も無理に盛り上げることなく全く自然な,真に「ハレルヤ」。アンコールでは会場の聴衆とともにハレルヤを演奏。
ホール:
縦長のホール。想像していたよりは悪くない。ただ,残響は決して多くなく,位置でバラツキがあるし,こもり気味になるのだが。