イギリス映画といえばUPPER CLASS、あるいはMIDDLE CLASSものがほとんどだと思っていた私はすっかりこの映画に登場するPOOR WHITE達の存在を忘れていた。アメリカでいうストリートキッズがイギリスにも当然のごとく存在していたのだ。
階級制度のきびしいイギリスだからこそますます貧富の差の激しさを感じずにはいられない。街には失業した青年があふれかえっていて、逆に移民として入ってきた者達がうまく事業をこなし裕福な生活をする。失業したPOOR WHITE達はそれに怒りを覚えてナショナルフロント運動に参加する。そして暴動・・・。パキと呼ばれるパキスタン人はいつもターゲットにされ、虐げられてきた分だけ芯の強さは誰にも負けない。そんなパキの代表格が主人公オマールだ。その芯の強さと父親ゆずりの頭の良さが手伝って、彼はおじが経営するコインランドリーショップをまかされる事になる。ボロボロになったコインランドリーを改装しよう。そう思い立ったオマールは幼馴染みのPOOR WHITEジョニーを呼び寄せ改装計画を練ることになった。「盗み」等をし、退廃的な生活をしていたジョニーもこの世界から足を洗おうと決心した。そして二人で店内の改装を始めることになる。店には昔の旧友達がやってくる。
「パキは俺たちが使うために入れてやったんだ!なのにおまえはパキに使われている。俺達をうらぎりやがって・・・」
そんな言葉に流されない強さをジョニーはもっていた。オマールの父から受け継いだ恩。この世界から足を洗おうとした決心の強さ。そしてオマールとの友情。肉体的には誰にも負けない強さを誇るジョニーだがオマールの頭の良さには上がらなかった。それが彼に心酔していった一番の原因かもしれない。ひたすらオマールを守り通すジョニー、だがその繊細で傷つきやすいジョニーを本当の意味で守り大きく包んであげていたのはオマールかも知れなかった。そこには二人の友情を超えた愛情が、そしてほのぼのとした温かさが感じられた。必見です。(いつもとは180度違ったダニエルデイルイスが・・・要チェック!)