Cinema Review

HEAT

Also Known as:ヒート

監督:マイケル・マン
出演:ロバート・デ・ニーロアル・パチーノ、バル・キルマー、ナタリー・ポートマン

私情を交えず正確、冷酷に目的を達成する犯罪のプロと、憑かれた様に犯罪者を追う執念の刑事。両者は年も似ているが、その匂いにも似たものを持つ。再会する時にはそのどちらかが死ぬ時だとお互いに直感する。

映画100年だか何だかの記念として作られたと言う話もどこかで聞いたが、そうでもないと納得できないキャスティングかも知れない。ロバート・デ・ニーロとアル・パチーノと言えば現在のハリウッドスターの頂点を為す大物かも知れないが、この二人、全く共演したことがないとのこと。今になっての初顔合せとなるとどちらも譲れない。気合いも入っただろうなあ。僕等見る方は楽なもんだけど。。。

と、軽く見に行ったらこれは確かに気合いの入った作品だ。何しろ上映時間も最近どんどん短くなる傾向のある中で3時間弱とえらい長編なのだ。ところが僕はそれに殆ど気づかず、終ってから時計を見て初めてびっくりした。それほどのテンションの高さ。
娯楽作品としては凄く良く出来ていると思う。途中の銀行襲撃のシーンなどは思わず手に汗握ってしまったりして。誰にでもお勧めできると思う。
この作品は何と言うかハリウッド映画の面白さを実にうまく詰め込んだものだと思う。基本的にストーリーはお約束的なもので、うまくなぞっていると言う感じだし、盛り上げ方もまた然り。何と言うか、悪くないし、誰にでも勧められると思うのだが、僕はだからやっぱり本当に好きになることはない映画だと言える。や、勿論悪くはないんです、悪くは。はい。

そうそう、ナタリー・ポートマンが出ているのだ。彼女は『Leon』で初めてスクリーンに現れた。当時12歳か13歳頃だったと思う。この作品ではまあ、結構大きくなっちゃって、と言う感じか。オープニングのスターリングで見つけてどこに出るのかと期待して見てしまった。男ばっかりの絵の中で、ちょっとセンシティブで危うい感じの娘を演じている。今後もスクリーンにどんどん出て欲しいもんだ。
ついでと言えば何だが、バル・キルマーも出ている。一緒に見に行った奴のお気に入り俳優なのだが、彼にしては珍しく比較的カッコイイ役だった。(彼はどうも妙な役が多いのだ。『バットマン・フォーエバー』では主役だったのにロビン少年役の方が人気をさらってしまったり。)バル・キルマーファンは見るといいかも。

Report: Yutaka Yasuda (1996.12.23)


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