伝説の島ラピュタ。それは空に浮かび世界を支配したと言うが今はその存在すら信じられていない。ラピュタの秘密、飛行石をめぐって繰り広げられる攻防を描く。
宮崎駿の活劇なのだが、どういう訳か一般の評価はそれほど高くはない。この前に作った『風の谷のナウシカ』が妙に哲学的な評価(?)を与えられてしまったために、余りにも真っ直ぐに作られたこの作品に肩すかしを感じた人が多かったのだろうか。良く判らない。僕はナウシカなどよりはこちらの方が完成度としても高く、遥かに良い作品だと思っている。活劇としても好きで、『カリオストロの城』の次に良いと思う。
目の前に現れ、そしてさらわれてしまったお姫様を追いかけ、救け出すと言うカリオストロと全く同じアウトラインを持つ作品なのだ。しかし舞台装置が違うせいか、こちらの方がより伸びやかに、明るく描いている。主役も子供だし。
何を書こうか。何も浮かばない。ただ僕はこの作品が好きなのだ。何と言うことなく、僕はこの作品が好きなのだ。子供の頃に見た『長靴をはいた猫』などのように、わけもなく僕はそれが好きなのだ。
「父さんがのこした熱い想い、母さんがくれたあの眼差し」と中で歌われている。僕は父さんになりたい訳じゃないが、この歌を聞く度に情熱という単語が浮かぶ。僕が大学生の頃、長野県の御巣鷹山に墜落したジェット機の中で、堕ちながら息子の為に自分の手帳に「立派になれ」と遺書を書いた人がいた。何の脈絡もないかも知れないが、この歌を聞くと思い出す。僕が珍しくじーんと(?)する時だ。