Cinema Review

ブラック・レイン

監督:リドリー・スコット
出演:マイケル・ダグラス、アンディ・ガルシア松田 優作高倉 健

アメリカで地位を築こうともがく狂気の新興ヤクザ佐藤。その事件に巻き込まれたアメリカの刑事二人が大阪で再び佐藤と闘う。

僕はこの作品を劇場で見た。恐らくはロードショーだったと思うので、それは'89年だと思う。この後しばらくして松田優作は癌で死んでしまった。あれからもう7年近くが過ぎた。テレビで流れたのでまた見てしまった。もう何度目になるだろう。

今見たら松田優作はそれほど画面には出ていない。しかし僕はこの映画を見た劇場で、松田優作かっこいいぜと思ったことを憶えている。鬼気迫る熱演と彼の死後良く言われたものだが、僕はそうは思わない。彼が見せた鮮烈なイメージを僕は『蘇る金狼』などでも見た。そういう俳優なのだ。そしてそれは稀な俳優のだ。

因みにキャスティングは豪華である。主要な人はまあ置いておいて、安岡力也、内田裕也、ガッツ石松、島木譲二(ぱちぱちパンチのおっちゃん)。それに小野みゆきが台詞も殆ど無いまま目だっている。他にもいろんな人が出ている。
撮影はヤン・デ・ボンだ。いわずと知れた『スピード』の監督である。随所にリドリー・スコット的な絵が出てくるが、なるほどヤン・デ・ボン得意のスピード感あふれるカットも多かった。結論として映像的には面白いものになったと思う。『ブレード・ランナー』の様な未来映画的な別世界感が良い。
途中「をいをい」と思うシーンもあるが、まあハリウッド映画の御愛敬という事で勘弁してあげましょう。

Report: Yutaka Yasuda (1996.03.09)


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