ある日一人で夜勤をすることになったベルボーイに降り掛かる災難を四つ。
全編通じて主役で出ずっぱりなのがティム・ロス。『パルプ・フィクション』の冒頭に出てきて拳銃振り回した人と言われれば判るという程度にしか僕は知らない。
さて本作品は4つのエピソードのオムニバスなので、この際全部の監督、キャストを出しておきましょう。
一話は監督マリリン・アンダース、出演はマドンナ他。僕は彼女以外のキャストに心当たりがなかったが、結構有名な人ばかりが出ていたようだ。マドンナはなんとピチピチのボンデージ調ゴム服で登場する。何と魔女役。
二話は監督アレクサンドル・ロックウェル、出演はジェニファー・ビールス他。ジェニファー・ビールスというと『フラッシュ・ダンス』で一躍有名になったが、その後全然姿を見なかった。この作品ではグッと色っぽくなっての登場でびっくりしてしまった。
三話は監督ロバート・ロドリゲス、出演はアントニオ・バンデラス。なんだか売れているそうですこの人。驚きな事にこの蛮人イメージのバンデラスは金持ちの旦那役であり、その妻は何と何とのタムリン・トミタでこれまたびっくりだ。彼女は僕は『ベスト・キッズ2』しか知らない。ぐぐぐぐっと色っぽくなっての登場であった。
四話は監督クエンティン・タランティーノ。出演はやっぱりまた出たかのタランティーノ本人と、『パルプ・フィクション』で御一緒していたブルース・ウィリスだ。途中から二話めと絡んでジェニファー・ビールスがバスローブ姿で出てくる。
キャストが面白いのも確かだけれど、各エピソードも単純なコメディーとしてそれぞれ楽しめる。しかし何より僕は最後のタランティーノ編が気に入った!
構成的に見ても10分を超えるかと思われるほどの超ロングのカットを幾つも持ってきたり、タランティーノならではの作り手が楽しんでいる様子が伺えるが、それよりラストシーンが素晴らしい。スピード、スピード、スピード。タランティーノはラストシーンで超ショートのカットをこれ以上は短く出来ない所まで切り詰めて見せてくれている。それまでのロングカットで溜めた分を一気に吐き出している。なるほどこれは最後のエピソードでならなければならない訳だなと納得して劇場を出たと言うわけだ。