16歳で眠りに落ちた姫を救うのは恋した王子のキス。同名の古い童話に基づくラブストーリー。
原題はSleeping Beauty、1958年。
ディズニー映画ファンの私が一番好きなのは何と言っても『眠れる森の美女』。
今では新作が上映されると必ず映画館へ見に行くけれど、本当は『シンデレラ』や『ピーターパン』『ピノキオ』『ダンボ』といったような、昔のディズニー映画の方が好きでたまらない。どれも大学生の頃から上映があると飛んで見に行ったけれど、実際映画館で見たのはほんの少しで、最近はビデオを買いまくっているのと、昔の絵本を大事にしている。
その理由の一つにキャラクターの顔がある。今のキャラクターの顔は目が大きくパッチリしていて、口も大きい。いかにも現代っ子らしい顔ではあるが、昔の優雅で品の良い顔と比べると、抵抗がある。また、現在の顔は子供っぽく見えてしまうのである。久し振りにできた長編アニメの『リトル・マーメイド』を見たときにはびっくりしてしまった。この映画には他にもいろいろと不満があるが、それはまた次にしよう。
そして、何と言っても悪役である。これも『リトル・マーメイド』を見たときショックだったのだが、ギャグ満載の情けないものだった。不気味で意地悪で、そしてとても恐ろしい印象だったはずの悪役が、歌い、踊り、何ともお粗末な印象になってしまったのである。
この『眠れる森の美女』は、古き良き時代のディズニー映画である。まずはストーリーだが、昔話や御伽噺が大好きな私が夢中になってしまうものである。生まれたばかりのオーロラ姫が、魔女マレフィセントに呪いをかけられ16歳で死んでしまうところを、やさしい妖精のおかげで深い眠りに落ちてしまいます。その姫を目覚めさせるのは、姫が恋したフィリップ王子のキスだけ。これだけでも、思わずうっとりしてしまいそうだが、他のお話と違うのは、王子様が魔女と戦って姫を救けると言うこと。『シンデレラ』も『白雪姫』も王子様は何もしなくて、ちょこっと出てくるだけなのである。そこへ行くとフィリップ王子は、妖精に助けられつつも、自分で魔女をやっつけ、姫にキスをして結婚、めでたし、めでたしとなる。他の王子様と違って、このフィリップ王子がとても格好いいのである(顔も一番素敵だと思う)。二人が出会い、夢で会った人だと驚きつつも惹かれ合い、恋をする。二人が森でダンスをし、木のそばでそっと寄り添うシーンはうっとりしてしまう。
色もとても素晴らしい。全体的に柔らかく、とてもきれいな色を使っている。最近のような派手な色はほとんど無く、見ていて疲れない。
そして動きが軽やかで美しい(これは今も素晴らしい)。
『ポカホンタス』もとても楽しみ。久し振りに大人のラブ・ストーリーなので今からわくわくしている。